Nobuto Osakabe Photographer

はなみず

昼夜の寒暖差のせいで、ここ数日間、鼻水とくしゃみが止まらない。
鼻で呼吸ができず、口呼吸をしているので口が乾いて喉がイガイガする。マスクをするのが好きではないので、水分をとったり、飴を舐めたりして喉を潤すようにしている。
早く治したいと思い、一昨日耳鼻科にも行った。耳鼻科は、少し苦手だ。
子供のころ、CDのようなものを頭につけたおじさんに鼻の奥や、耳の中をぐりぐりされた嫌な思い出が強く残っている。液体のついた棒を鼻に入れた時の臭いや、異物が体の中に入る感触が今でも気持ち悪い。
一昨日も、我慢して病院に行ったけど、治療中はなるべく目をつぶっていた。
案の上、鼻の奥に棒をつっこまれ、ぐりぐりやられた。両鼻を激しく。
目をつぶってこらえていたら、少し静かになり、人の気配を感じ無くなった。
軽く目を開けて、周りを伺ったら誰もいない。
ただ、目の前に近すぎてピントの合わないシルバーの物体があった。
それがはじめは何かわからなかった。少し考えて、これは鼻から出ている棒だとわかった。
鼻の感覚がバカになり、刺さったままの棒の感覚を認識できなくなっていたのだ。
完全に状況を把握した。鼻に棒を刺された男が一人ぽつんと治療室にたたずんでいる。
あまりにも滑稽で、なんだか少し笑えてきて、ニヤつきが始まってしまった。必死にこらえたが、一度入った笑いのスイッチはなかなか治らず、さらに鏡に映った自分の姿を見つけてしまい、笑い度数が上がり、あぁーもう笑う、鼻から棒が吹き出すかもしれない、って思った瞬間に、お医者さんが戻ってきてスッと鼻の棒を抜いて治療が終わった。
帰宅後も鼻水は止まらず、ティッシュを両鼻につっこみながら過ごしていたら、1歳9ヶ月の息子が不思議な顔で僕の顔を見てきた。
勢いよくフンって両鼻のティッシュを飛ばすと、満面な笑顔で笑ってくれた。