Nobuto Osakabe Photographer

vol.12 プレゼント

今年のクリスマスは、チキンもケーキも食べなかったけど何か洋風なものが食べたいと思い、グラタンを作った。
ホワイトソースが冬っぽいさを強調してくれるし、少し焦げたとろけるチーズが気持ちを暖かくする気がする。玉ねぎ、鶏肉、きのこ、ブロッコリーとシンプルでオーソドックスなスタイルだけど、子どもがバクバク食べてくれたので、頑張って作ったかいがあった。

今年のプレゼントは、トーマスのプラレール。
夏、大井川鐵道にトーマスを見に行った後なぜかトーマス離れして、アンパンマン、ドラえもん、アナ雪などに夢中になっていたが、ここ最近またトーマスが帰ってきた気がする。まだ言葉を話せないので何が欲しいとか何が好きとかを、こちらが観察しながら考えなければならないけど、親があげたいものではなく、なるべく子どもが素直に喜ぶものを毎年プレゼントしていきたいと思う。うちの子は1月生まれで、クリスマスと誕生日が近いからクリスマスプレゼントと誕生日プレゼントの両方を考えるのはとても大変。
だからクリスマスプレゼントは遊べるもの、誕生日プレゼントは本をあげることにしようかなと思っている。

僕は、小さいころ絵本が好きだったけど、中学高校と進むにつれて本を全然読まなくなっていった。多分、目の前にある現実が一番リアルで楽しかったからだと思う。でも大学生になって小説が好きになり、かなりの数の本を読んだ。多いときは年間100冊は読んでいたと思う。BOOK・OFFで1冊100円の小説を当時買い漁っていた。お金はなかったけど、時間は山ほどあった。そんなに寝なくても平気だったし、いろんなことを吸収している感覚を常に持っていた。写真を撮る上で、物事の見方って重要な視点だと思う。小説は、僕ではない違う人の人生や考え方を体験できる。僕は僕の人生しか生きられないけど、登場人物の人生を共有して、共感して、自分にはない発想を得られるのは、他人の人生を生きているようで新鮮だった。また文字から世界を想像していくことは、とてもおもしろい。同じ文章を読んでも、思い浮かべる景色はみんな違う。違うのに、本の世界にみんな魅了されていく。読者の数だけ世界があるなんて、とてもわくわくしてしまう。

本との出会いで、人生って大きく変わっていく気がする。子どもも本の魅力にいつか気づいてほしいと思う。たくさんの本を読んで、豊かな感性が育っていったらいいなぁ。