Nobuto Osakabe Photographer

vol.32 きなり

前回のエッセイを書いてから、また期間が空いてしまった。
この間の出来事を言えば、まず第一に、無事子どもが生まれてきてくれたこと。
2020/9/23 6:02 新しい家族が誕生した。名前は『きなり』。女の子。名前の由来は「生成り(きなり)」からきている。「生成り色」など色として認識されている生成りだけど、本来の意味は「手を加えていない。そのままの状態。」のことをいう。素材の持つ自然な美しさや何ものにも染まらない自分を大切にして、素直な人間に育ってほしいなぁと思って名付けた。子どもの名前をつけるのは2回目だけど、すごく悩んだ。長男の時は、割と明確にこれって生まれる前に決められたけど、今回は生まれてきても少しだけ悩んでいた。名前を決めるに当たって一番に考えるのは、その言葉の持つ意味。長男「玄人」の場合は、「玄人(くろうと)」の意味であるその道に熟達した職人、専門家。簡単に言えばプロフェッショナル。何か一つでも良いから、自分の好きなことを見つけ、秀でた人になってほしいという思いを込めて名付けた。今回の「きなり」も言葉の由来としてはとても好きだけど、なんかしっくりきていなかった。その理由は女の子だからだと思う。同性だとなんとなく名前に対してこんなことを考えるだろうなぁとかこういうのは嫌だなぁとか少し想像できるけど、女の子ってどんなこと考えるのか全く想像できない。「きなり」という自分の名前に対して彼女はどんなことを思うんだろうか。長男にもそうだけど、ちゃんと言葉の意味がわかるようになったら、名前の由来を話したいと思う。すごいベタだけど、名前は親から子への最初のプレゼントだし、メッセージだと思っている。長男「玄人」長女「きなり」、まだ2歳と0歳の2人がこれから先どんな風に育っていくのかとても楽しみだ。伸び伸び成長していく2人を後ろからサポートしていきたい。

そして次の出来事は36歳の誕生日。長女の里帰り出産があり、今は家族とは離れて暮らしているので久しぶりの1人誕生日。特にケーキとか食べるわけでもなく、ごく普通の一日として、あっと言う間に過ぎ去りました。大人になると誕生日なんてそんなもんだね。娘の写真を眺めながら、36年前の自分もこんなに小さかったのかぁとか、36年前ってだいぶ昔だなぁとか当たり前のことをしみじみ考えていました。娘が今の僕の年になる頃、今から36年後の世界は、今の僕には想像もつかないくらい大きく変わっていんだと思う。いろいろ想像してみたけど、とりあえず、今、目の前にあることを丁寧に向き合っていこうと思った。自分の手の届く範囲をちゃんと大切にしていこうと。
もう若者ではない36歳なので、健康に気をつかいます。
健康じゃないと子どもたちを守れないし、好きなこともできない。そして、たくさん仕事して、たくさん遊ぶ。
コロナ禍でもできる方法が何かあるはずだ。