Nobuto Osakabe Photographer

vol.36 模索中

コロナ禍で移動することがとても窮屈になった。以前は毎月のように東京を離れて撮影に出かけていたし、1年に1回は海外にも行っていた。2020年から数えると東京を離れたのは片手で収まる程度になった。いろんな土地のB級グルメを食べたり、大自然に囲まれた温泉でのんびりしたいけど、叶うのはまだまだ先なのかな。そんなことを考えていたら急に崎陽軒のシュウマイ弁当が食べたくなった。しかも新幹線で。ふたや容器にくっつくお米を一粒残さずきれいに食べたい。僕はあんずを食べない派だけど、唐揚げと一緒に食べると美味しいらしい。今度やってみよう。

コロナ禍になっていろんなツールが急速に発展し、世の中の仕組みが大きく変わったりして、足を運ばなくてもオンラインで済むことが多くなった。家にいてもできることが格段に増えた。でもやっぱり写真はその場所に行かないと撮ることができない。ちゃんと被写体に向き合って、地に足をつけて撮る。その場所の空気や匂いをそのまま写真に写りこませる。温度や湿度、肌で感じる全てが一枚の中に含まれる、そんな人間味のある写真がいいな。見る人に優しく語りかけるような写真。そんな写真がおもいっきり自由に撮れる状態に早く戻ってほしい。
コロナが終息するまで、今できることを。いままでとは違う何か新しいことを始めたい。
動きながら模索中の日々。

昨日はスーパームーンの皆既月食。家族で近くの公園まで見に行ったけど、曇っていて月が現れなかった。息子は暗い時間に外で遊ぶことが慣れていないせいか、初めは暗闇を怖がっていた。徐々に慣れてきて、いつものように遊ぶようになった。夜の公園で遊ぶって子どもの頃は特別に思えた。公園は昼間の顔と夜の顔が全然違う。昼間なら全く怖くない遊具も夜見ると少し恐怖を感じる。街灯の明かりのせいで妙な立体感が出て、急に動き出したりするんじゃないかとか思っていた。
次の皆既月食は12年後の2033年。そのときは子どもたちがだいぶ大きくなっているから一緒に見にいってくれないかもなー。