Nobuto Osakabe Photographer

vol.47 夜明け

冬の夜明けは、格段に艶やかだ。
空を見上げれば、まだ真っ暗な闇が広がっている。遠い海が徐々に色づきはじめ、その僅かな光で照らされる世界。人や動物や街が、動き出す呼吸の気配。太陽の光が、肌に触れた時のあたたかさ。太陽の上昇と共に、一気に色彩が溢れ出し、賑やかになっていく現世。早起きは正直しんどいけど、これを見られただけでも幸せな気持ちになる。そんなことをここ1ヶ月で何度も体験した。
11月頃からバタバタしていた日々もようやく落ち着いてきた。11月と12月で2回福島へ撮影に行った。そこでは今シーズン初めての雪も経験したし、器からはみ出る美味しいカツ丼や採れたての海の幸も食べることができた。その中でも喫茶店のホットサンドは格別に美味しかった。ちょっと他とは違うホットサンド。マスターとお母さんのアイデアと愛情がつまった唯一無二の味だった。11月末には、船から日の出を撮った。本当にこの船大丈夫!?って思えるほどの小さな船だったけど、その小ささ故、小回りがよく効き水面スレスレからも撮影できた。12月に入ると太陽が登る前に飛行機に乗って九州へ2回行った。(しかも1回は日帰り)羽田―福岡は1時間半くらいで行けるので、軽い遠出くらいに感じている。でも日帰りは嫌だ。移動が多かったけど、道中はずっとポッドキャストを聞いていた。忙しいとなかなかインプットができなくて、外の世界と遮断されてしまう感覚になるんだけど、ポッドキャストでいろんな人の話を聞いて、頭を整理できるのは、心が正常に保てるような気がする。ラジオを聞くのも苦手だし、音楽もBMG程度に流れているのが好きなので、ポッドキャストにはまるのは自分でも意外だった。トークショーに行って対談を聞いているような、学校で講義を受けているような感じが新鮮で好きだ。まだまだ世の中知らないことばかりで、生きるヒントを少しでも得られたらいいなと思う。

あと10日もしたらクリスマスがやってくる。そろそろ子どもたちのプレゼントの準備をしないといけない。まずは欲しいものを一つに絞ってもらうところから。まだ何をサンタさんにお願いするのか決めていないという息子。早く決めて欲しい。急に言われてもサンタさんも対応できないよ。今年こそは買おうと思っているが、まだ我が家にはクリスマスツリーがない。