Nobuto Osakabe Photographer

vol.51 正月帰省

東京に大雪が降った日、我が家は逃げるように九州に向かった。
お昼前から本格的に降り出した雪は、12:45発佐賀行きの僕たちの飛行機に襲いかかっていた。飛行機の翼に積もった雪の除雪、凍結防止剤を吹き付ける作業のために、予定時間を過ぎても飛行機の中で、僕たちは待機していた。3歳児と1歳児は、シートベルトをしたまま座っていることなんて到底できない。この機体には残念ながらテレビモニターがついていない。やむなくipadで動画を見せたり、寝かしつけのために狭い機内を抱っこしながらうろうろしたりと、なんとか飛び立つまでの時間潰しを必死にした。このまま雪がもっと強くなって、欠航で飛ばないとかになったら最悪だなと思いながら、何度も窓の外を眺めていた。CAさんたちは、とても親切で機内の子どもたちに積極的に声をかけていた。トイレに連れて行ってくれたり、おもちゃを渡したりと丁寧な対応をしてくれた。平日の昼ということで席に余裕があったから、あまり肩身のせまい思いをしなくて済んだのが救いだった。

1時間後、なんとか離陸準備が整い、無事に飛び立つことができた。雲を抜けると、地上での雪が嘘かと思うほど、快晴。(雲の上にいるから当たり前なんだけど)このコントラストが絶妙に綺麗だった。琵琶湖あたりからは、地上をみることができるようになり、空からでも田んぼに積もった雪景色がよく見えた。西に行けば行くほどに雪は無くなっていき、九州に着くと東京の大雪を忘れるほどの晴天だった。