Nobuto Osakabe Photographer

vol.54 4歳の誕生日

4歳の誕生日
息子が4歳になった。「もう4歳」と思う気持ちと、「やっと4歳」と思う気持ちが入り混じる不思議な感情。日々の子育てには、本当に休みがない。一日を無事に終えることに精一杯になる日が多く、あっという間に一日が終わってしまう。でも365日×4年。1460日。そう思うと長い。全ての日が、濃厚で濃密な時間だったと思う。

誕生日当日、息子を連れて『ららぽーと横浜のウルトラアスレチック』に行った。何を隠そう、彼は今ウルトラマンに、どハマりしている。仮面ライダーリバイスに一瞬いきかけたけど、ウルトラマンが息子の頭の中を塗り替えた。12月にも、よみうりランドにウルトラマンショーを見に行った。真冬の屋外ステージは、凍える寒さだった。にもかかわらず、ウルトラマンの服を着ていたり、フィギュアを持った子どもがたくさんいた。高そうなカメラを持った大人が必死にウルトラマンを撮影していた。家を出る時に張り切っていた息子は、ショーが始まる頃には寒さと疲れで、ぐずり出していた。スピーカーから出る大音量が追い討ちをかけ、息子は「うるさい!」と大泣き。ウルトラマントリガーとウルトラマンティガが出てきても、終始泣いて顔を隠していた。せっかくきたのにと思っていたら、終盤の少しだけ落ち着きを取り戻しステージを凝視していた。特に大きなリアクションはなかったけど、彼の中でいろんな思考が働いているんだろう。よほど疲れたのか、帰りの道中は爆睡。みたいなことが、前にあった。

ウルトラアスレチックは平日ということもあり、ガラガラ。そんなに広い場所ではないので、すぐに飽きてしまうかなと思ったけど、トータルで5時間近くいた。そこでは、ウルトラマントリガーが変身する時に使うガッツスパークレンスを無料で貸してくれた。息子は初めて生で見るガッツスパークレンスに、テンションがかなり上がっていた。「希望の光、ウルトラマントリガー!!」と変身する時の掛け声を、何度も叫んでいた。アスレチックをしたり、ゴーカートに乗ったりと十分すぎるくらい遊んだおかげで、今回も帰りは爆睡。ケーキを食べるのは明日にお預けになった。
次の日、保育園から帰った息子は、妻と一緒に自分の誕生日ケーキを作った。スポンジにホイップクリームをたっぷり塗り、ブルーベリーを並べていく。その上からまたスポンジをのせる。全体にクリームを塗って、大量の苺を(つまみ食いしながら)のせる。最後に銀色の硬い粒々をふりかけて完成。食べるのを楽しみにしながら冷蔵庫にしまった。夕飯を勢いよく完食して、待ちに待っていたケーキタイム。「早く電気を消して!」とせがむ息子。少し崩れているケーキの上で、4本のローソクに火が灯る。大きな声で、ハッピーバースデーを歌う息子。自分で作ったケーキを撮影している。笑いながら、手をパチパチする娘。勢いよく、ふぅーっと火を消すけど一度では消えず、もう一度吹く。2回目で火が消えて、部屋が真っ暗になった。

3歳の息子には、もう一生会えないのかと思うとちょっとだけ寂しい。でも4歳になった息子との時間を大切にしよう。5歳になったら4歳の息子には会えなくなってしまうのだから。