Nobuto Osakabe Photographer

Essay

vol.28 8月1日

8月1日は、僕にとって特別な日だ。 2014年の8月1日、僕は独立してフリーランスになった。28歳の夏だった。独立する前にそんなにたくさん仕事をしていたわけではないではなかったので、すぐに仕事が舞い込むことはなかった。暇な日も多かったけど、なぜか自分を信じ…

vol.27 枇杷

先日、雨の中を車で走っていると『ビワ 500円』という看板が見えた。本当にさりげない看板で、大半の人は気付かないと思う。でも僕はその哀愁漂う看板を目にして、口の中が枇杷の味になってしまった。看板の奥には、個人が営んでいるであろうと思われる果樹園と直売所が…

vol.26 奥之院

高野山の「奥之院」についたのは、朝の8時前だった。 目覚めたときには明るかった空も、急に雲が増え、一段と暗くなった。この日の奥之院には人っ子一人いない。普段はどれくらいの人がいるのだろうか。誰も人がいないと少し心細く思う。この世の人間が僕一人だけにな…

vol.25 静かな町

目が覚めて時計を見たら、あと数分で5:00になるところだった。まだ起きるには少し早いと思い、2度寝をした。やっぱり2度寝は気持ちがいい。次に起きたのが5:55。すでに空は明るく、もう6月なのに少し肌寒い。外は全く音がしない。頭の中がすっきりしすぎている。いつ…

vol.24 ケーキを焼いた

今日は生まれて初めてケーキを焼いた日の話。 日頃から料理をする方なのでキッチンに立つことは多いけど、お菓子を作ったことは一度もなかった。僕の勝手なイメージだけど、お菓子作りは料理とは違ってノリで出来ない。ちゃんと決められた分量を計り、レシピに沿って作…